教育・研修
近年、国境を越えて新興再興感染症の脅威が高まっていることから、臨床現場における感染症学の教育が益々重要になっております。日本では未だ感染症の専門家が少ないのが現状であり、その育成が急務となっております。大学における感染症教育の役割として、卒前・卒後教育、大学院教育及び社会全体における啓発が重要と考えております。大学での感染症学及び臨床検査医学の教育の充実に努め、最先端の感染症学及び臨床検査医学を学ぶ教育環境を提供し、感染症の診断・治療・予防・危機管理に関する総合的な対応能力を有する専門的人材を育成いたします。
また、感染症専門医に関しましても全国的に不足しており、地域偏在があります。感染症は個人を超え、施設・地域社会で伝播拡大しますので、どこで診療する場合でも常に感染症対応が必要とされます。感染症対策は、医療の質保証や医療安全における最重要課題であることから、感染症科学・臨床検査医学分野を通じて、地域での感染症の問題に柔軟に対応できる人材育成を行って参ります。
学生教育
医学類の感染症学および臨床検査医学の学生教育を担当しております。
- 2年次
- 個人防護具(PPE)実習
- 3-4年次
- 感染症学講義、臨床検査医学講義
- 5年次
- 感染症科・感染制御部・検査部 臨床実習(サブスペシャリティ・ローテーション)
- 6年次
- 感染症科・感染制御部・検査部 診療参加型臨床実習(インターンシップ)
卒後教育
附属病院の研修医、専攻医などに対して感染症診療の教育研修を行っております。
感染症診療に関する研修
感染症診療の基本的な考え方や抗菌薬適正使用に関する基礎知識を習得し、院内感染症コンサルテーションを通して、菌血症のマネジメント、抗菌薬適正使用支援活動、重症患者の感染症、免疫不全者の感染症、移植関連感染症、各種外科術後感染症、COVID-19まで様々な感染症診療の研修を受けることができます。
感染制御部では他科からの感染症に関するコンサルテーションに積極的に対応し、感染症診療、感染管理に関する支援を行っています。また、院内で探知された血液培養陽性例や薬剤耐性菌(MRSAやESBL産生菌など)は毎日確認し、診療支援を行っています。
当部はICUとも密に連携し、週に1回定期的なICUカンファレンスに参加し、積極的な意見交換を行っております。ここでは、集中治療を要する患者の感染症診療に関して学ぶことができます。
ワクチン外来では、主に固形臓器移植患者を対象とした予防接種を週に1回行っており、ワクチンに関する幅広い知識を得ることができます。
感染制御に関する研修
感染対策に関する基礎知識を習得し、感染制御および医療疫学の実践を通して、医療関連感染対策の研修を受けることができます。
感染制御部では感染症科のスタッフが兼務しており、感染制御や医療疫学に関するトレーニングが可能です。ICTカンファレンス、 ASTカンファレンス、ICUカンファレンスを定期的に行い、部署間での情報共有をはかっています。また、地域の関連病院と定期的にミーティングを行い、感染制御や感染症診療の支援を行っています。院内だけでなく、石川県・金沢市内の医療機関からもニーズが高く、上級医と共に実地指導も行っております。
短期間の研修や定期的な研修にも対応可能
3~6ヵ月など短期間の研修も大歓迎です。
他病院に所属しながら、週1日など定期的な研修も可能です。
学会発表や症例報告、論文執筆のサポート
臨床研究・基礎研究を積極的に推進しており、学会発表・論文発表に関して、経験を積んだ医師が手厚くサポート致します。これまでも国内・国際専門誌に多数の論文、症例報告が掲載されています。所属している教員には科研費や民間研究助成などの獲得実績がありますので、研究費獲得に向けて経験者がサポート可能ですし、総合大学としての支援体制も充実しています。
当分野で取得可能な資格
- 日本感染症学会専門医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
- ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター
- 日本臨床微生物学会認定医
- 日本臨床検査医学会臨床検査専門医